建築環境総合性能評価システム(CASBEE:Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)の略称で、省エネや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮だけでなく、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建築物の環境性能を総合的に評価するシステムです。 また、環境配慮設計のための自己評価ツールや資産評価のラベリングツールとして、また国や地方自治体の環境施策への利用など様々な目的での活用が広まっています。
◆CASBEEの特徴は、建築物の環境に対する様々な側面を客観的に評価するという目的
◆CASBEEの評価対象は以下の4分野
◆BEEの分子側Q(建築物の環境品質・性能)分母側L(建築物の外部環境負荷)に分類
全国24の自治体(下記に記載)では、2000㎡以上(一部5000㎡以上)の建築物を建てる際に、環境計画書の届出を義務付けられており、CASBEEによる評価書の添付が必要となります。 富士設計では、各自治体ごとの基準に応じた、届出作業をサポートいたします。
各自治体のCASBEEの導入状況は下記の通りです。(2012年9月現在、導入順)
自治体名 | 通 称 | 届出義務対象建物規模 | 届出時期 |
名古屋市 | CASBEE名古屋 | 2,000㎡超の新築・増築 | 着工の21日前 |
大阪市 | CASBEE大阪 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
横浜市 | CASBEE横浜 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 確認申請の21日前 |
京都市 | CASBEE京都 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
京都府 | ー | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
大阪府 | CASBEE大阪みらい | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
神戸市 | CASBEE神戸 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 非住宅:着工の21日前 住宅:確認申請の21日前 ※本受 |
川崎市 | CASBEE川崎 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 確認申請の21日前 |
兵庫県 | ー | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
静岡県 | CASBEE静岡 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
福岡市 | CASBEE福岡 | 5,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
札幌市 | CASBEE札幌 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
北九州市 | CASBEE北九州 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
さいたま市 | CASBEEさいたま | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
埼玉県 | CASBEE埼玉県 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
愛知県 | CASBEEあいち | 2,000㎡超の新築・増築 | 着工の21日前 |
神奈川県 | CASBEEかながわ | 2,000㎡以上の新築・増築 | 確認申請の21日前 |
千葉市 | ー | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
鳥取県 | CASBEEとっとり | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
新潟市 | CASBEE新潟 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 確認申請の10日前 |
広島市 | CASBEE広島 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
熊本県 | CASBEE熊本 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
柏市 | CASBEE柏 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
堺市 | CASBEE堺 | 2,000㎡以上の新築・増築 | 着工の21日前 |
東京都ではエネルギーの使用の合理化、資源の適正利用、自然環境の保全、ヒートアイランド現象の緩和の4分野環で環境配慮の取り組みを示した届出を計画時・完了時に提出することが義務づけられています。
対象建築物の建築主は環境配慮への措置を講じるとともに、措置を自己評価した計画所を提出し、都が公表する制度です。
対象建築物は都内に新築・増築される延べ面積5000㎡以上の建築物。(提出義務)
届出は確認申請又は計画通知の30日前まで。(工事完了の届出は検査済証の発行後30日以内)
CASBEEの評価結果を第三者に提供する場合、評価結果の適正を評価認証機関(IBEC又はIBECから認証を受けた機関)が認証する第三者制度です。CASBEE認証を取得することにより、建築物の付加価値の向上や環境配慮に取り組む企業イメージの向上が期待されます。
対象建物は戸建住宅を除く延べ面積300㎡以上の建築物。
CASBEEの評価結果を不動産評価に活用することを目的で開発されたものです。
広告物やホームページ等の一般向けに評価結果を公開する場合は、CASBEE不動産認証を取得していることが必要です。(IBEC又はIBECから認証を受けた機関が認証。)
CASBEE不動産認証は環境に配慮した不動産の価値を高めることが期待されます。
対象建築物は竣工1年以上の既存建築物が対象。(評価するにあたって、1年以上の運用実績データが必要な為)
CASBEEウェルネスオフィスとは、建築物の健康性、快適性等を評価するツールとして開発されたものです。
従来のCASBEE®-建築における環境品質(Q)の評価範囲を、健康増進や知的生産性向上の観点から膨らませたものであり、環境負荷低減(L)については評価対象とならず、あくまで健康性、快適性等に関する環境要因を抽出した評価ツールとなっています。
従来の建築物評価に含まれていなかったビルの運営管理や、テナントリレーションオフィス専有部におけるビルやテナントの取組みなど、執務者への健康影響が大きいと思われる内容について積極的に取り込んでいます。
CASBEEウェルネスオフィスは、オフィスビルをその主たる評価対象建物用途とします。
複合用途ビルの場合などは、主にオフィス用途の部分を対象として評価を行います。
ビル内での評価の範囲はワークプレイスのみでなく、共用部も含めたビル全体(事務所用途部分全体)とします。なお、複数フロアが評価対象の場合、評価は主要なエリアもしくは基準階などの代表な階、エリアにより行っても良いこととされます。